料理人に調理師免許は必要ないって聞いたけど本当かな?
飲食業界で働いていると「料理人に調理師免許は必要ない」という意見を聞いて困惑したことがあるでしょう。
僕も見習い料理人の頃に「調理師免許は必要ない」と先輩に言われたことがあります。そのときは言葉の意味が理解できませんでしたが、独学で調理師免許を取得したときに納得しました。
僕が「料理人に調理師免許は必要ですか?」と質問されたら「料理人になるなら調理師免許は必要ないです」と答えます。
この記事では、料理人に調理師免許が必要ないと言われる理由と、調理免許のメリット・デメリットを紹介します。
これから調理師免許を取りたいと考えているなら、この記事を読むことで必要性をしっかりと認識することができますよ。
- 調理師になりたい人
- 調理師学校への入学を検討している人
- 調理師学校へ行けなくてモヤモヤしている人
料理人に調理師免許が必要ない理由
- 料理人の必須資格ではない
- 無免許の一流料理人もいる
- 無資格でも独立開業できる
料理人になるのに調理師免許は必要ありません。調理師免許が必要ない理由を3つ紹介します。
料理人に調理師免許が必要ない理由① 料理人の必須資格でない
料理人にとって調理師免許は必須の資格ではありません。料理人になるために資格は不要です。
求人サイトや求人誌をみるとわかりますが、料理人の募集は「経験不問」や「資格なし」と記載されている求人ばかりです。
料理人という仕事の魅力は、資格や経験のない人でもスタートできることと言ってもよいでしょう。調理師免許がなくてもしっかり仕事を覚えていけば、実用的な調理技術を身につけることが可能です。
- 調理師専門学校などの課程を修了した人
- 「調理師免許を持っている=料理のプロ」ではない
- 調理師試験に合格した人を指す名称なので、実務経験がない見習い料理人でもOK
料理人に調理師免許が必要ない理由② 無免許の一流料理人もいる
飲食店の現場でも、調理師免許を持っていない料理人は多いです。料理人は職人仕事のため、肩書きよりも技術が重視されます。
実際に勤務しながら調理師免許の取得を目指す人もいますが、無免許のベテラン料理人もいます。
これまでホテルの調理場・江戸前寿司屋・海鮮料理屋など複数の飲食店を経験しましたが、調理師免許を持っている料理人は、全体の3割程度しかいませんでした。
服部栄養専門学校の校長であり、料理研究家としても有名な服部幸應氏は、調理師免許を持っていないことで話題になりました。とはいえ必須資格ではないので、特に問題はありません。
僕が調理師免許を持っていない見習い時代の様子は、下記の記事で紹介しています。気になる方は覗いてみてください。
料理人に調理師免許が必要ない理由③ 無資格でも独立開業できる
飲食店を開業するために調理師免許が必要だと思われがちですが、調理師免許がなくても開業は可能です。調理師免許の取得は、開業の条件に含まれていません。
開業に必要な資格は下記の2つです。
- 食品衛生責任者
- 防火責任者
どちらも保健所の講習を受けることで取得できます。開業に求められるのは、飲食店を管理する上での責任です。
お客様は料理を提供している料理人が、調理師かどうかは気にしていません。お客様に求められるのは、安全で美味しい料理です。
料理人が調理師免許を取得するメリットとは?
- 就職の選択肢が増える
- 最低限の衛生知識を証明できる
- レベルの高い試験を受験できる
料理人に調理師免許は必要ないですが、調理師免許を取得するメリットはあります。
調理師免許が必要だと考えている人は、これらのメリットを重要視しているでしょう。
調理師免許のメリット① 就職の選択肢が増える
調理師免許を取得していれば、就職の選択肢が増えます。「調理師」を求めている飲食店の求人に応募できるからです。
一流店だと、下記の理由で調理師免許を持っていない人を落とすことがあります。
- 採用に無駄な時間と労力をかけたくない
- 料理人の仕事への本気度がわからない
飲食店側は、せっかく採用したのにすぐに辞められては困るのです。調理師免許を持っていることで、料理人としての本気度を見極めることができます。
新卒なら無免許でも採用される可能性は広がります。飲食店側が教育体制を整えやすいからです。
未経験を募集している飲食店に勤めて、調理師になってから一流店へ転職することも可能です。
調理師免許を取得していない人が「調理師」を名乗ることは違法行為なのでNGですよ。
調理師免許のメリット② 最低限の衛生知識を証明できる
調理師免許を持っていると、衛生管理においての知識を持っていることが証明できます。飲食店にとっては、調理技術よりも衛生管理が重要です。
どんなに美味しい料理が作れても、不衛生な料理人は評価されません。もしも食中毒などの問題が発生すると、営業停止や廃業の可能性があります。
お客様に安全な料理を提供するためにも、衛生管理の知識は必要不可欠です。調理師免許を持っていなくても、衛生面の知識は持たなくてはいけません。
調理師免許のメリット③ レベルの高い試験を受験できる
調理師免許を取得することで、よりレベルの高い試験を受験することができます。
- 専門調理師
- 調理技能士
- ふぐ調理師 など
いずれも難易度が高い試験ですが、資格を持っていると料理人としての評価が高まります。
仕事の幅が広がったり、昇給の可能性もあります。より高いレベルの飲食店へ転職し、収入アップも可能です。
上記の資格はどんなに料理人経験が長くても、調理師でなければ受験資格がありません。
料理人が調理師免許を取得するデメリットとは?
- 試験勉強に時間とお金がかかる
- 試験問題のほとんどは現場で使わない
料理人が調理師免許を取得するデメリットを紹介します。
調理師免許を取りたいと考えているなら、デメリットもしっかりと認識しておきましょう。
調理師免許のデメリット① 時間とお金がかかる
調理師免許を取るには、時間とお金がかかります。下記のどちらを選んでも時間とお金は必要です。
- 調理師専門学校の教育課程を修了
- 2年以上の実務経験ののち試験に合格
調理師専門学校から調理師になるには、高額な学費と卒業までの時間かかります。
独学で調理師試験を受けるには、2年以上の実務経験が必要です。調理師専門学校よりも費用を抑えられますが、受験資格を得るために2年もかかります。
受験せずに現場でのスキルアップや食べ歩きなどの自己投資を優先する料理人も多いです。
調理師免許のデメリット② 試験問題は現場で使わない
調理師免許の試験問題は、料理人の現場では使わない知識が多いです。特に使わない知識は下記の2つでしょう。
- 食文化理論・・・現場で活かせる機会なし。雑学にしかならない
- 栄養学・・・単糖類の名前やビタミンごとの役割など、現場で理解している料理人はプロでも少ない
「食文化理論」は現場で活かせる機会はなく、雑学にしかなりません。「栄養学」は単糖類の名前やビタミン類の役割などを学びますが、現場で理解している料理人はほとんどいません。
調理師試験を受験するのは若い料理人が多いです。現場で使わない知識は、時間が経つと忘れていきます。
とはいえ、最低限抑えておきたい知識という資格なので、持っていても損はありません。
料理人のプランによっては調理師免許は必要ない
- 料理人の必須資格ではない
- 調理師免許がなくても開業できる
- 調理師免許があれば就職の選択肢が増える
- 調理師免許の取得には時間とお金がかかる
- 調理師試験問題は現場で活かせない知識が多い
この記事では、料理人にとっての調理師免許の必要性とメリット・デメリットについて紹介しました。結論として、料理人になるのに調理師免許は必要ありません。料理人になるために資格はいらないからです。
有名店でも、調理師免許を持っていないプロの料理人はたくさんいます。
調理師免許を取得するためにかかる時間やお金を考えると、必要ないと判断する人は多いです。とはいえ、大企業や一流店で料理人として腕を磨きたいなら、採用条件として設定されがちな調理師免許を取っておくと良いでしょう。
また、専門調理師やふぐ調理師を目指す場合も調理師免許は必須です。あなたの料理人としてのキャリアプランにあわせて調理師免許の必要性を考えてみてください。
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