一流の料理人になるために、勤務先に選んではいけない飲食店の特徴を知りたいな。
このような疑問にお答えします。
独立開業や一流料理人を目指す人にとって、勤務先となる飲食店選びは重要です。見習い時代から調理技術に優れていても、勤務先選びに失敗すると伸び悩みます。
伸び悩んでいる間に、他の飲食店で修行している友人に差をつけられる可能性があります。最悪の場合は料理人の夢を諦めてしまうこともあるでしょう。
この記事では、料理人が就職・転職してはいけない飲食店の特徴を3つ紹介します。記事で紹介する3つの特徴に当てはまらない飲食店で修行できれば、一流料理人になる可能性が上がります。
実際に飲食業界で勤務していると、この記事で紹介する特徴に当てはまる飲食店が多いことがわかります。料理人の離職率が高い理由にも関わるので、しっかりチェックしておきましょう。
就職・転職してはいけない飲食店の特徴① 勤務形態が過酷すぎる
- サービス残業が多い
- 無給の休日出勤がある
- 有給休暇の取得ができない
飲食店は勤務形態が過酷なイメージがあるでしょうが、度合いによっては危険です。上記に当てはまる飲食店は勤務先に選ばないようにしましょう。
サービス残業が多い
サービス残業が多い飲食店を勤務先に選ばないようにしましょう。なぜならサービス残業は時間が無駄になるからです。
給料が発生してない状況で働いていると不満やストレスが溜まります。集中できないまま仕事をしても、知識や技術を習得することは困難です。
どうしても学びたいことがある飲食店なら、サービス残業をしてでも技術習得を優先させるのはよいでしょう。ただし、低賃金労働でパンクしないように注意してください。
なかには、同僚や他のセクションより早く帰ることに遠慮する人がいます。気まずいからと言って、ダラダラ仕事をしているフリをせずに帰宅するか、手伝ってあげると良いでしょう。
お客様ありきの仕事なので、サービス残業がまったくない飲食店を見つけることは困難です。しっかり学びたいなら、ある程度のサービス残業は覚悟しておくとよいですね。
1ヶ月でサービス残業が10時間を超えると結構まずいかも。
無給の休日出勤がある
労働基準法違反ですが、無給で休日出勤をさせられる飲食店が存在します。
実は、平成前半までの飲食店はブラック企業ばかりでした。平成の後半ごろから労働環境の整備が進んできましたが、一部の飲食店では古い体制が残っています。
ホテルや大型店舗のように、定休日がない飲食店は要注意です。シフトで休日となっているのに、追加出勤を頼まれることがあります。
僕がホテルの料理人をしていたときは、休日に親方から「なに休んでるの?」と電話がかかってきました。休日も無給で出勤するのが当然になっていました。
休日にしっかり休まないと疲れは取れません。疲労が溜まると集中力も低下します。仕事の効率が悪いと、成長の妨げになるので注意してください。
なかには、休日出勤でも有給なら問題ないという人もいるでしょう。体調管理は自己責任なので、しっかりと判断してください。
有給休暇の取得ができない
有給休暇の取得ができない飲食店は多いです。飲食店のほとんどは人手不足なので、有給休暇を取ると嫌がられます。
2019年4月からの「年次有給休暇の時季指定義務」が施行により、有給休暇を取得することが義務付けられました。しかし、義務であるはずの有給休暇を取得できない飲食店はいまだに存在します。
人手不足の状況で有給休暇を取られると、出勤している他の料理人の仕事量が増えてしまいます。その状況を知っているからこそ、有給休暇の取得に遠慮している料理人は多いです。
なかには下記のような突発的な欠勤のときだけ、有給休暇を消化する飲食店もあります。
- 親族の法事への出席
- 退職届提出後の有休消化
- インフルエンザなどの出勤停止
就職・転職先を探す際には、有給休暇の取得ができるのかをチェックしておくとよいでしょう。
とはいえ自分自身でチェックするのは難しいです。不安なら転職エージェントの利用を検討してみてください。
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就職・転職してはいけない飲食店の特徴② 職場の人間関係が悪い
- 深刻な人手不足
- 上下関係が厳しすぎる
- 職場内にいじめがある
職場の人間関係が悪い飲食店への就職・転職は避けてください。人間関係が悪いと職場の雰囲気が乱れるので、料理の腕を磨く妨げになります。
人間関係の良し悪しを判断するための基準を3つ紹介します。当てはまっている飲食店には注意してください。
深刻な人手不足
深刻な人手不足の飲食店への就職・転職は避けた方がよいです。人手不足の飲食店で勤務すると、下記のような悪影響がでてきます。
- 残業が増える
- 休日出勤が増える
- 欠勤がでると仕事が爆増する
料理人の見習いにとっては、仕事が増えることをチャンスと捉えることもできます。しかし、このような状況が続くと過労で仕事どころではなくなるでしょう。
見習いの仕事が増えると言っても、ほとんどは雑用です。料理に直接関わる仕事は先輩の料理人がカバーするので、チャンスとは言えないです。
飲食業界は全体的に離職率が高いので、人手不足に悩まされています。しかし、人手不足が深刻化している飲食店は、経営や職場の環境に問題を抱えてることがほとんどです。
- 経営の問題
- アルバイト募集なら時給を上げたり、シフトの自由度を高めることで応募者数の増加を狙えます。
正社員募集なら「未経験の採用枠を増やす」「給料などの待遇の改善」はもちろんですが、求人掲載の媒体を増やすのも効果的です。
- 職場環境の問題
- 新人が仕事を覚えやすいサポート体制の強化や、人間関係を良好に保つための交流を増やすと効果的です。
可能なら従業員同士の交流会などがあるとよいでしょう。
上下関係が厳しすぎる
上下関係が厳しすぎる飲食店への勤務はおすすめできません。ここでの ”厳しすぎる” とは理不尽な対応をされることです。
- 先輩のミスでも新人の責任にされる
- 教えられていない仕事を無茶ブリされる
- 明らかに間違っていても先輩の指示は絶対
上記に当てはまるなら要注意です。ひとりでもこのような先輩や上司がいると、仕事中のストレスや気疲れが大きくなります。
先輩・後輩の関係があるので、ある程度の上下関係があるのは当然です。しかし理不尽な上下関係によいことはありません。
理不尽な上下関係のある飲食店で修行した料理人は、後輩や部下にも同じ対応をしてしまいます。この環境での修行を避けることは、あなたにとっても、今後できるあなたの後輩にとってもよいことです。
料理人のパワハラについては、下記の記事で詳しく紹介しています。気になる方は覗いてみてください。
職場内にいじめがある
職場内でいじめがある飲食店に勤務するのは危険です。いじめの被害者があなたでも同僚でも、いじめがあるなら転職した方がよいでしょう。
- あなたが被害者・・・不安やストレスで仕事に集中できません。健全な飲食店で働いた方が成長できます。
- 同僚が被害者・・・いじめがあるのを知っているだけでも、仕事に集中できません。いつ加担させられるか不安やストレスを抱えます。
どちらの立場でも不安やストレスを抱えるので、仕事に集中ができません。最悪の場合は料理人という仕事そのものが嫌いになります。
職場内でいじめがあると、退職するのにも勇気が入りますよね。あなた自身で退職の手続きが不安なら、退職代行サービスを使うのも賢い選択です。
就職・転職してはいけない飲食店の特徴③ 調理技術が身につかない
- 食材の質が悪い
- 雑用期間が長すぎる
- メニューに既製品が多い
調理技術が身につかない飲食店への就職・転職は危険です。上記に当てはまる飲食店だと、せっかく料理人として勤務しても調理技術は身につきません。
それぞれの理由を具体的に紹介します。ぜひチェックしてください。
食材の質が悪い
食材の質が悪い飲食店では、調理技術の向上が遅くなります。普段から質の悪い食材を扱っていると、目利きを鍛えることができないからです。
目利きを鍛えるには、質の良い食材を扱うことが重要です。普段から質の高い食材を扱っていれば、質の良し悪しを見極めることができます。
お客様に提供するからと言って、すべての飲食店で質の良い食材を扱っているわけではありません。原価を抑えるために食材の質を下げる飲食店は少なくないです。
また、食材の質が低いと家族や友人を呼びたくないですよね。身近な人に喜んでもらいたいなら、扱う食材の質は重要です。
雑用期間が長すぎる
当然ですが、雑用ばかりやっていても調理技術は身につきません。技術を向上させるには実践あるのみです。
雑用は新人や見習いが仕事の全体像を把握するためにも重要ですが、長くても半年〜1年ほどで十分です。後輩ができたら雑用を引き継いで、次のステップに進むべきです。
新人が長続きしない飲食店では、雑用期間が長くなりがちです。雑用を引き継いでくれる人材がいないので、ずっと雑用をやるハメになります。
後輩に退職されないためにも、サポートを心がけることは重要です。
メニューに既製品が多い
メニューに既製品が多い飲食店も、料理人としての技術が身につきません。技術を身につけるなら、仕込みからしっかり行う飲食店がおすすめです。
- 既製品とは?
- すでに製品として売り出されている商品のこと。仕込みの手間を省くために、すでに完成している料理を仕入れる飲食店は多いです。
ひと言で「既製品」と言っても、度合いが異なります。下記のように、加工や味付けがされているパターンがあります。
- キャベツなどの野菜の千切り
- 切り身や柵になっている魚
- 味付けされている煮物
技術習得が目的なら、すべての仕込みを行える飲食店が最適です。食材の正しい扱いや処理が身につきます。
すべてを自店で行うのは高級店ばかりです。つまり、調理技術の習得にもっとも良いのは高級店です。
高級店でない限り、どこかしら既製品や加工品を使っていますね。
料理人として成長するには就職・転職先選びは重要!
- 勤務形態が過酷すぎる飲食店
- 職場の人間関係が悪い飲食店
- 調理技術が身につかない飲食店
この記事では、料理人の成長のために就職・転職してはいけない飲食店の特徴を3つ紹介しました。いずれかに当てはまる飲食店だと、しっかりと仕事に向き合うことが困難です。
仕事に集中できないと技術習得の妨げになります。料理人として成長を目指すなら飲食店選びは重要です。
とはいえ勤務し始めてから気づくこともあるでしょう。すでに勤務しているなら、早めに転職をするのは賢い選択肢です。
あなたの努力だけでは解決しない問題なので、勤務先を変えるのがシンプルです。
転職先選びに失敗したくないなら、転職エージェントを利用するとよいでしょう。転職のプロがしっかりサポートしてくれるので安心です。
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